特集-インタビュー

第6回 田中一哉理事が語る
市町村国保が特定健診・保健指導を円滑・効果的に実施するためには

(社)国民健康保険中央会 田中一哉理事 (社)国民健康保険中央会
田中一哉理事
1967年国民健康保険中央会入会。1991年施設部長、98年事業部長、99年企画部長、2003年審議役、07年理事(企画・保健事業担当)、現在に至る。厚生労働省「標準的な健診、健康指導の在り方に関する検討会」構成員、「保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する検討会」委員など多数務める。

市町村国保保険者の立場からご覧になって、今回の特定健診・特定保健指導を円滑・効果的に実施していくためには、どのようなことが大切でしょうか?

第一に、特定健診・特定保健指導がこれまでの老人保健法における健診や一般衛生の健康づくり事業とは違う、ということを認識しておかなければいけません。

大きな違いは、財源が違うということです。特定健診・保健指導の財源は医療保険から出ているため、費用対効果をきびしく求められます。医療保険は単年度決算ですので、その収支が赤字にならないよう保険者は努力していくわけです。今回の特定健診・特定保健指導が単年度でもとがとれるとは思いませんが、少なくとも、そう長くないスパン、3年でもとがとれるように考えなければいけません。

また、特定健診・保健指導は、国民健康保険と被用者保険それぞれ医療保険者が実施します。市町村は国保保険者ですから、40歳から74歳までの住民のうち国保の被保険者だけが対象となります。いわゆる全住民対策ではないということです。40歳から74歳の住民のうち、被用者保険の被保険者や被扶養者には対処できないということです。これは、市町村長にとっても、一般衛生の保健師にとっても、何か腑に落ちない、矛盾を感じることかと思いますが…。


そうですね。地域の保健活動のなかで住民の方をこの人は被保険者、この人は違うと分けて考えるのは難しいかもしれません。

(社)国民健康保険中央会 田中一哉理事 市町村の保健活動は何のためにやるかといったら住民の健康のためです。その健康が結果的に何に結びつくかというのは、その部局によって目的が違います。一般衛生では、地域住民が健康になることが最終目的かもしれない。ただ、われわれ国保は、被保険者が健康になっても、その結果が医療費適正化につながらないかぎり成功といえません。単なる健康づくりなら、医療保険者の義務でなく、一般衛生で行えばいいわけですから。国保の被保険者から「なんで保険料でそんな余計なことをやるんだ」といわれかねない。だから、やることは同じでも目的が違うというわけです。


保健事業についての医療保険者の役割はどうあるべきとお考えになりますか?

保険者が被保険者の健康づくりのために努力するのはもちろんですが、保険料が高くならないために、そして本人の幸福のためには、被保険者自身にも健康になるよう努力していだきたいと思っています。

今度の特定健診では、メタボ対策として保健指導対象者を選定するために、腹囲や血糖、脂質、血圧などを測定しますが、たとえば腹囲。なんで腹囲を測るのに他人に測ってもらってお金を払わなければいけないんだと思うわけです。血糖値もいわゆるキットがあれば、自己測定できる。脂肪値も、血圧値も一定の条件・環境さえつくれれば、こうした検査は被保険者自らができるものなのです。こうした検査を健診機関という第三者に委託して、5千円から1万円くらいのお金を払えば、この支払いはみんな保険料に跳ね返ってしまいます。被保険者自らが自己測定を進めて保険料を下げていければと考えています。

保険者というものは、まず被保険者自らできることはやってもらう、そして被保険者ができないことは手助けするといった役割を担うことが必要ではないかと思います。

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