特集-リレー連載

タイトルどおりSNS保健指導向上委員会の現場に関わる会員の方を中心に、リレー形式で連載記事を執筆いただく企画。毎回、執筆いただいた方に「次はこの人にこれを聞きたい!」をお聞きし、バトンをつないでいきます。

第9回は、岩崎恵子さん⇒川上徳子さん へのバトンです。

第9回 「地方・在宅にて特定保健指導業務を行う『現場』から」

(株)ヘルシーピット 管理栄養士
川上 徳子(かわかみ のりこ)
(SNSハンドルネーム:そるり)
大学管理理栄養士専攻卒業後、異業種にて、総務から販売職までを経験。
(その間、栄養士としての職歴はなし。)
結婚を機に、パート栄養士として病院勤務。出産のため退職後、在宅にてNPO法人 FMC協会(旧:日本クリエイティブダイエティシャン協会)に所属。フリー栄養士として、地域活動も経験。
現在はヘルシーピット契約社員として在宅勤務にて在職中。
SNS保健指導向上委員会 そるりさんのマイページはこちら

川上徳子さんからのひとこと
けいさんからのバトンをキャッチ! でも、リレー連載のお歴々の中、なぜ?私に? というのが正直な感想です。
私の日々の業務は、人材育成と言うより、自分自身がさまざまな健康支援の場でコツコツ続けているコツを伝達することです。その中でも、支援の喜びを味わえるのが「特定保健指導支援対象者(以下お客様)にもっとも近い支援=現場」だと感じています。今回はその「コツ」と、これからの抱負を、熱く(でも暑苦しくなく)語ります! 

会社紹介

私の所属する(株)ヘルシーピットは、栄養士や健康運動指導士という健康づくりの専門家が中心となり、子どもからお年寄りまですべての人々の健康を願い、「食」を中心に 「運動」「休養」の生活習慣を改善する健康づくりプログラムや特定保健指導をはじめ、お客様により健康的な毎日を過ごしていただくためのサービスを日々発信しております。
本社は東京・成城、関西支社は兵庫・西宮にあり、ともにレストランディ(食事に特化したデイサービス)を併設しております。お近くにお越しの際には、弊社自慢のレストランディにお立ち寄りください。あらかじめご連絡いただければ幸いです。


「お客様に近い支援」と言っても実は地方で在宅で…。 〜私の仕事とは

私の業務は、電話支援、紙面、PC・携帯メールを利用しての「言葉での支援」(以下アドバイス)です。本社は大都会に、関西支社はマリンリゾートにありますが、私自身は福岡県に居住し、在宅で業務を行っています。実はお客様との『距離』はもっとも遠い状態です。(九州地区であれば面談・講演も行います。)お客様との「距離」は遠くても、心の「距離」を感じさせない支援を、日々心がけています。

スタートは4年前、父・祖母の介護も始まり(現在も継続中)、小さな子どももいるために勤務をする仕事は難しく、なかなか一歩を踏み出せない…でも栄養士として働きたい! そんな頃に出会ったのが NPO法人FMC(フィットネスミールクリニック)協会(旧:日本クリエイティブダイエティシャン協会)です。このNPO法人では全国の栄養士・健康運動指導士が集い、情報交換やスキルアップを重ねることができます。栄養士として経験の浅い私は、まずは自分磨きのつもりで入会しました。さらに在宅での業務も可能であっため、徐々に経験を重ね、2年前よりヘルシーピットの本社スタッフになりました。

最近は、私と同じように在宅業務を中心とする各地域のスタッフと、お客様の橋渡しの業務も担当しています。地域スタッフ1人1人にスケジュールをあらかじめ打診し、仕事量の調整、生活状況との兼ね合いをつかむよう日頃から心がけています。その後、本社との打ち合わせで担当人数等の調整を行い、業務依頼へと作業をすすめます。同じ環境で働く地域スタッフのために、理解や共感を忘れずに、迅速かつ正確な業務、より良いアドバイスにつなげる細やかなフォローと支援を心がけています。地方にいても、全スタッフがヘルシーピットの「看板栄養士」「看板トレーナー」として実力を発揮できるよう、本人自身も気づいていない魅力を引き出すべく努力しています。気持ちは敏腕マネージャー、あるいは(自称有能美人!!)秘書です。


ハードとハートで、プロ意識をもって。 〜在宅での働き方の課題

地方で在宅での業務を行うため、ハード面(道具)としてPCの保有・管理・保守は必須条件です。そしてソフト面(心・ハート)で、私自身が徹底したことは、「報告・連絡・相談」でした。私の関わるどの業務も自分1人ではできません。必ず「チーム」として複数のスタッフが働いています。スタッフはもちろん、お客様との関わりの中でも、「報告+連絡+相談=約束」の上に「信頼」は成り立つものだと実感しています。

在宅であっても、組織の中の一員であるということ、お客様にとって自分自身が会社の看板であると常に意識し信頼関係を築くこと。これが私にとっての「プロ意識」です。


不足は補足で。 〜自分らしさを強みに

多くの職場では、栄養士は専門職として、組織の中では少数派ではないかと思います。しかし、ヘルシーピットは栄養士・健康運動指導士という専門職の集団です。働きはじめたころは、栄養士としての業務経験もほとんどなく、メールもローマ字入力さえろくにできない状況でした。専門職として彼らと肩を並べて業務をするには、私は知識も経験も少なかったと感じています(まだまだ不足!発展途上ですが…)。

逆に気づいたのは、知識、経験が少ないために「お客様に近い気持ち」であること。そして社内では一番「特定保健指導に近い世代」ということ。これは、私だからこその「強み」です。専門家だから気づきにくく、その世代でなければ見過ごしがちなことに共感できる「伴走」栄養士になりたいと思っています。いつも、お客様にもっとも近い気持ちを忘れずに、支援者として「何ができるのか?」「何が必要なのか?」と、自分に不足していることを見つめ、そこを重点的に補足するよう、努力してきました。


北風より太陽。温かく、明るく。 〜スキルアップのために1

私の目標は「家族の会話のきっかけ」「冷蔵庫に張りたくなる」「手帳に書きとめておきたくなる」「PCのお気に入りに入れたくなる」アドバイスをすること。

アドバイスはできるだけ「太陽」が出ている時間帯に作ります。不思議なもので、夜書いたアドバイスは「北風」のように、厳しく、鋭い言葉になることが多々あります。在宅業務は、可能な時間にいつでもできるというメリットがありますが、夜にアドバイス作成する場合も、翌朝に改めて読み直し、修正をします。この作業は「時間の無駄」と感じられるかも知れませんが、その余裕を持つことが、納期管理・時間管理・自己管理にもつながり、1スタッフとしての自分自身の単価アップになると感じています。

そして、アドバイスの中心はお客様自身が実践できるものに! つい栄養士は「食べ物・栄養・料理・調理」のアドバイスが中心になります。でも、お客様以外の誰か(食事をつくる家族など)が、がんばらなければならないことや、お客様の生活習慣に合わないことは、お客様自身の改善にはつながらず、本当の意味でのアドバイスにはなりません。

支援者は、アドバイスの引き出しを増やし、様々な切り口を持ち、タイミングを見極め、そこにプロとしての専門性を発揮することが特定保健指導に求められている支援だと感じています。アドバイスには「太陽」のような温もりと明るさを!


栄養学から、時事問題までを知ること。アドバイスは現場で作るんだ! 〜スキルアップのために2

私は福岡から日本全国のお客様へアドバイスを発信するため、毎日欠かさず行っていることがあります。お客様の住んでいる地域の天気予報を見ること、新聞を隅から隅まで読むことです。とても地味な取り組みですが、私の場合は、ついアドバイスの中に自分のクセ・方言・地方色が出てしまうため、「標準語」を身につけることが必要でした。毎日できる身近なスキルアップとして、テレビ・ネットなどのニュースだけでなく、自分が興味のないことも新聞で隅から隅までとことん「言葉を読む」!ココがポイントです。お客様との共通の話題つくりから、流行・経済・時事問題・世界情勢までを知ることができます。逆にお客様の地方の情報も知ることができます。

特定保健指導の場合、法律や仕組みなどにより、お客様ご自身の意思に反して「受けなくてはならない」ことも多々あると感じています。現状の生活では、不便さも健康へのダメージも感じていない状況で、「積極的支援」「動機付け支援」と数字で振り分けられ、不満をお感じになっていることも…。それを支援者として受けとめることもあります。

そんな時こそ、面談やアドバイスは「チャンスの現場」と感じています。より健康になるための「チャンス」として、お客様に一番近い「現場」支援者として、お客様の状況、家族構成、仕事の背景、時事問題、経済の動向、趣味、嗜好などを常に考慮して「何ができるか?」を一緒に考えていく支援が必要だと考えています。

「Take a chance on you!(自分の可能性にかけてみましょう!)」ある歌手の心の扉を開いた恩師の一言だそうです。お客様にも、スタッフにも、そして自分にも常に心の中でこの言葉をかけ続けています。

ぜひ、このサイトをご覧になっている皆様にも!
Take a chance on you!!


次回予告

川上徳子さん⇒伊神和史さんへのバトン
「運動と食事は特定保健指導の2本柱!ぜひ、運動による健康支援の秘訣を、運動がすごく苦手な支援者(私自身も含め)のためにも、お聞かせください。バトンタッチ!」

次回をお楽しみに!

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