特集-リレー連載

タイトルどおりSNS保健指導向上委員会の現場に関わる会員の方を中心に、リレー形式で連載記事を執筆いただく企画。毎回、執筆いただいた方に「次はこの人にこれを聞きたい!」をお聞きし、バトンをつないでいきます。

第17回は、吉田和弘さん⇒永井杜椛さん へのバトンです。

第17回
「保健師で開業。目の前の人が自分に希望を持ってもらえる支援者をめざして」

健康支援ディアス代表
保健師 永井 杜椛(ながい とも)
(SNSハンドルネーム:tomo)
岐阜県岐阜市在住。
保健師免許取得後、県内の総合病院併設の健診センター、糖尿病管理室に6年。
夫の海外転勤を機に退職。出産・育児に専念すること6年。
その後、健診センター新規立ち上げ準備でお声がかかり復職。
さらに広がりを求めて、県内最大級の健診センターへ転職。
「保健師のイメージを変える!」ことを目標に、2008年10月、健康支援ディアス開業。
2010年5月、NPO法人がんサポートセンター 理事就任。

SNS保健指導向上委員会 tomoさんのマイページはこちら

永井杜椛さんからのひとこと
紹介者のまゆぴーさんとは、昨年末に参加したワークショップが初対面。
「SNSのメンバーだよ!」そんな話題が出たとたん、急に親近感がわきました。このご縁に感謝しています。
私はまゆぴーさんのことをまだあまり知りませんが、まゆぴーさんが書かれた記事の中の、「予防医学は生き方を支援する専門医学だと思っている」という言葉がとても印象に残りました。私もその専門医学に関われる保健師という職業に誇りを持って活動していきたいです。

新しい働き方 開業保健師

私は保健師の新しい働き方を模索中の開業保健師です。屋号は「健康支援ディアス」。
あるがままの自分にOKを出し、その人らしくイキイキといられることを健康ととらえ、その状態を支援するディアスは、アメリカ最南端の喜望峰を発見したポルトガルの航海士バルトロメウ・ディアスにちなみ名づけました。人生は大海原を航海するような冒険の連続。仕事と遊びの調和を楽しみ、生きがいの源泉をご縁のあった人たちと探求していきたいと思っています。健康をキーワードに事業を広げて、今年中に一般社団法人設立を予定しています。

最近増えてきている開業保健師は、経営者目線で事業計画を立て、目標の収益をどれくらいに設定するかで活動の量や範囲も変わってきます。商品やサービスがあふれる時代に、消費者は何をいくらで買うかではなく、誰から買うかにシフトしてきていると言われます。「あなたからサービスを買いたい」と言われるためにはどうすればいいか、自分が商品でありサービスに値段をつける難しさ、営業から経理まですべて自分でこなすことなど、新しい学びの連続です。

私が開業保健師になったきっかけの1つに、両親との死別があります。両親は5年前にがんで相次いで他界しました。母は60歳でした。その時、自分の残された時間を考え、自分らしくやりたいことに熱中したいと思いました。保健師の資格を生かしながら、同じ志の仲間と共に楽しく、人に喜ばれる仕事、自分が満足できる仕事がしたいと思ったら、開業しかないと思いました。


二人の"師匠"から学んだもの

私には開業を後押ししてくれた師匠が2人います。その1人が、開業保健師のパイオニア、(有)ビーイングサポート・マナの村田陽子さんです。開業を考え、自分磨きのために村田さんのメディカルヘルスコーチセミナーに通い、目からウロコの保健指導スキルに出会います。そして、共に学ぶ仲間と、全国で活躍する開業保健師のつながりができました。

そして今でも、セミナー初日の「ただ聴く」というワークを思い返すことがあります。「人は無意識に自分自身の経験と照らし合わせながら、他人の話を聞いている」「自分の価値感(フィルター)を脇に置いて、フィルターを通さずに相手の話を聴けるか」というテーマでのワークです。頭ではわかっているけど実践できていないことを実際に体に落とし込んでいくセミナーは毎回充実したものでした。「支援者は相談者のことを完全に理解することはできない」。このことが本当に理解できた時、肩の力が抜け、だからこそわかろうと努力もし、相談者に寄り添いたいと思うようになりました。

もう1人の師匠は、現在私の講演の軸ともなっている「こころとからだのセルフメンテンナンス」のプログラムを開発し、全国に広めようとされている水科江利子さんです。インストラクター養成コースに通い、人として指導者としてのあり方を彼女から学びました。保健師として、自分では気づかないうちに身につけた何枚もの鎧を脱ぐ所からのスタートで、鎧を脱ぎ棄ててありのままの自分にOKが出せた時、生きるのがとても楽になりました。そして、自分を含めて目の前の人の心と体がほぐれて満たされ、自分に希望を持てた瞬間、どんどん変化していくことに感動しました。自分を大切にすることがテーマであるこのプログラムは、高齢者向けの講座、子育て教室、職場のメンタルヘルス研修など、老若男女、多くの人に伝えて行けたらと思っています。


つながりから広がる活躍の場

開業から3年目を迎え、健康支援ディアスの事業内容は年々進化しています。開業保健師の良さは、いろんなライフステージの人たちと関わることができることです。「保健師は何する人?」と、聞かれることもよくあり、まずは開業保健師の認知度を上げるため、活動の場をどんどん広げて行こうと思っています。

4月から開始する「グローバルEAPサービス」は、経営コンサルタントと臨床心理士と保健師のコラボです。自由な発想とつながりを大切に、いろんな職種や立場の人と協力して行う事業はとても刺激的で、ある時は医療・福祉業界の常識を変えるアイデアをもらえます。がんの在宅療養に関する公開講座を計画し、PR会社の社長に相談すると、公共の施設で閉鎖的に行うのではなく、ショッピングセンターのイベント広場にしてはどうかという提案をもらいました。そこで担当者とのすり合わせを行った結果、「がんをカジュアルに広める」ための年間を通しての企画も決定しました。

先日、岐阜の民間病院でがん患者会が誕生しました。その病院に勤務する、がん性疼痛認定看護師さんが患者さんの要望に応えて仲間を集め、企画書を作って病院サイドに訴えかけようやく実現しました。私はその看護師さんから相談を受けて支援をしてきたので、患者会発足式とその後のサロンに参加しました。患者さんはそれぞれの思いを話しながら、この会ができたことを心から喜び、みんなで涙を流しました。看護師さんの熱意と患者さんとの信頼関係に感動しました。

私は現在、患者サロンの運営支援を3件と、ランチ会を主催しています。患者サロンが患者・家族の身近な場所に増えることで救われる人が増えると確信しています。たくさんの課題は見えていますが、亡き両親への思い、旅立たれた患者さんへの思い、一緒にNPOで活動しているがん経験者の仲間の思いに支えられ、がんに関わるすべての人たちへの支援をしたいと思っています。「すべての人」とは、患者・家族・遺族、そしてそれらを支援している医療・福祉従事者への支援です。


ままならなくとも、しなやかに

今、NHK大河ドラマ「江」にはまっています。
戦国の女性が生きにくい時代、運命に翻弄されながらも自分らしさを貫く江のたくましい生き方・・・。そのテーマは、「ままならなくともしなやかに、水のようなその生き方」だそうです。
開業保健師が活躍するためには、お金の動きが見えにくい保健・福祉サービスを、経営者目線で追及していくことが課題となります。いろんな人とのご縁を大切に、保健師の活躍の場をしなやかに広げていきたいと思います。

最後に、今回はこのような機会を与えて頂きありがとうございました。まゆぴーさん、バトンをありがとう!


次回予告

永井杜椛さん⇒徳永京子さんへのバトン
起業保健師仲間の徳永京子さんへ。
「彼女のサインダンスを初めて見る人はびっくりします。私は涙があふれて止まりませんでした・・・。自らの生き方、輝き方を通して、多くの人に愛と勇気と元気を与えてくれる、『自分が商品』の彼女が、きっと多くの同業のみなさまに熱いメッセージをくれると思います」とのこと。

次回をお楽しみに!

バックナンバー
過去の連載「保健指導を考える」を読む
保健指導のアウトソーシングに関するアンケート調査 結果レポートの発表です
坂根直樹先生新連載「ストレス方程式で解決!簡単ストレスマネジメント」
血糖自己測定器と院内専用グルコース分析装置の違い
脱マショウノオンナ 『保健師だより』私流のコツワザ集
ニッポンの健康づくり 辻一郎先生 津下一代先生 インタビュー
協力企業
ニプロ株式会社 気をつけていますか?メタボリックシンドローム!!
ニプロ株式会社 気をつけていますか?メタボリックシンドローム!!

保健指導向上委員会の運営を応援してくれる協力企業を募集しています。詳しくは、こちらまでお問合せください。

ad@hokensidou.net
地域保健
かいごweb
東日本大震災に関する情報 地域防災力向上を目指す情報サイト「webside.jp」
SNSログイン
保健指導向上委員会SNSにログインする
SNS新規登録SNSについてもっとくわしく
委員会からのお知らせ