特集-リレー連載

タイトルどおりSNS保健指導向上委員会の現場に関わる会員の方を中心に、リレー形式で連載記事を執筆いただく企画。毎回、執筆いただいた方に「次はこの人にこれを聞きたい!」をお聞きし、バトンをつないでいきます。

第36回は、杉浦 陽子さん⇒丸中 伸一さん へのバトンです。

第36回
「特定保健指導システム開発から学んだこと」

パナソニックヘルスケア株式会社
メディコムビジネスユニット ヘルスケアシステムグループ
ヘルスケアシステム販売チーム
丸中伸一(まるなか・しんいち)
(SNSハンドルネーム:かびごん)
1984年金融系ソフトウエア開発会社入社
1987年三洋電機株式会社に転職。医療系部門メディコム事業部にてレセプトコンピュータ周辺ソフトウエア企画営業を17年行い2004年より遠隔医療、介護系関連システム営業に従事
2008年より特定保健指導に特化したシステム企画営業。

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丸中伸一さんからのひとこと
今回思いもよらぬ形でバトンを受け取りました。公私共にお世話になっている杉浦さんからです。
私自身「特定保健指導」に直接携わる立場でもなく、勿論有資格者でもないので何を書けば良いのか全くわからないのですが、丸5年特定保健指導のシステムを企画営業した中での経験や出来事等ご紹介できればと思いお受けいたしました。

特定保健指導というものが始まるらしい

2008年度から特定保健指導というものが始まるらしい……と噂を聞き、まず思ったのは、いったいそれはどんなものなんだろうということ。確か2006年秋だったと思います。当時遠隔医療システムから、老人介護施設向けシステムを営業しながら次期システム制作は、糖尿病予防用健康管理システムかな、という思いで市場調査などを行っていたころでした。

2007年に入ると、特定保健指導の概要がもれ伝わってきました。内容を見たとたんに思ったのは、「今つくっているシステムに似ている部分が多い。これは使えるのでは?」という思いでした。社内ですでに分析が行われていてどうやら特定保健指導に沿ったシステムが出来そうだという結論でした。

早速、ご協力いただける健康保険組合様を探し、打ち合せを何度も行いましたが、まだ確定情報が少なく、多分こんなことになるであろうという予測でテスト版を作成し、仮運用を行い、結果を確認しました。テスト版の評価は、使えそうだが入力が面倒くさい、指導者はともかく利用者はこれで使えるのかというのが当時の感想だったと記憶しています。入力順、データの重み、言葉の表現など小さなことの積み重ねによる「ズレ」が、段々と広がっていくことに気付かず、その時は、それほど大きな問題ではないと思っていました。

その後、システムの完成を目指し厚生労働省から出た「特定健診・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」とにらめっこ、疑問が出たら厚生労働省に質問の電話、それでも駄目なら押しかける(笑)を繰り返しました。当時は厚生労働省の担当者の間で名前まで覚えられて、またあいつかといわれるほど質問していました。そのおかげもあって制度に関してはかなり詳しくなりました。


特定保健指導スタート

そうこうしているうちに、特定健診・保健指導のスタート時期が迫り、直前の2007年末システムの紹介を兼ねてセミナーを開催しました。確か3、4回行いましたが、会場は多くの方に来場していただき、関心の高さをうかがわせました。これはいけるのではという期待感と、この制度自体が上手く動くのかという不安が入り混じっていたのを覚えています。

この頃からいろいろな医療機関に出向き、システムをお使いいただくための説明などを行い始めました。当初、私はこの特定保健指導を行うのは地域医療機関、内科系の診療所が中心と考え、初年度はほとんど医療機関にご案内していました。今にして思えば健診機関、保健指導事業者、健康保険組合、共済組合が圧倒的な数なのです。しかし、当時はまだそのような状況になるとは知るよしもなく……。システムを利用する機関は増えず、どこに行けば良いのか何をすればよいのか、情報収集の日々が始まりました。

そんな時に「保健指導向上委員会」の存在を知りました。これはいろいろな情報が集まっていそうだと直感しサイトの中を見ようとしたら、会員資格は保健指導に携わる人と書いてある。自分は有資格者ではないのでだめかと思いましたが、事務局に連絡してみたところ営業活動としての利用でなければ参加可能とのご連絡を頂き入会いたしました。サイト内では色々な悩みや意見交換、情報提供などが行われていて、私にとっては自分の疑問まで一気に解決してくれそうなサイトでした。しばらくは書き込みなどを見ているだけでしたが、会員の皆さんとコミュニケーションをとれないかと考えていたら、保健指導向上委員会主催のスキルアップ研修会やオフ会のレポートがあり、2回目から参加させていただくようになりました。この研修会参加が良いきっかけになりました。最大の変化は現場の方の本音を直接聴けるようになったこと。「保健指導機関」対「システム業者」の構図だと上辺だけのお話で終わることが圧倒的に多いかと思いますが、セミナーで直接お会いしたり、SNSで書き込みをしたり、読ませていただいている中で、指導者とシステム屋の枠を超えた・・・なんと言えば良いのでしょうか? 仲間みたいな意識でお話が出来るようになってきたのです(私だけそう感じているだけかもしれませんが)。


顧客満足、顧客主義の本来の意味

はじめは医療機関向けに出来上がったシステムを何とか使っていただく、最初に「システムありき」で営業を行っていました。そんな折、このサイトの方何人かとお話しする機会に恵まれ、保健指導に関してや実際の面談、その後の事務作業の煩雑さなど、たくさんのことを教えていただき、最後に「このシステムはまあまあなんだけど、少し物足りなさや使い勝手の悪さを感じるんだよね。」と言われたのです。「おかしい。特定保健指導の内容は完璧に網羅して、システム的には問題ないはずなのに」。自問自答し、何が問題なのかを知りたくて、いろいろなところに営業に出向き、意見を聞いてみました。そこでわかった事は現場で行われる日々の指導や事務作業の流れとシステムがマッチしていない部分が多数あるということ。何せ今まで無かった制度をシステム化していったのですから、システムは机上論で作られた部分が多いわけです。ところがこの制度が1年経過する頃から、現場での制度運用が少しずつ変化していたことに気付けず、またそう大きな問題ではないと勝手に判断していたのです。

この時期を境に、開発担当部門と本来の意味での調整(実際はほとんど喧嘩に近かった)がはじまりました。現場、つまり顧客が満足しない物は、たとえいっとき使ってもらっても長くは持たない。この事の本当の意味を私が理解するには結構時間が掛かりました。今は、おかげさまで多くのお客様にご利用いただくようになり、多くのことを学ばせていただき、システムは少しずつ良い方向に変化しつつあります。私自身も顧客満足、顧客主義という物が本来どのようなことなのかようやくわかりかけてきた気がします。


今後のシステム開発に向けて

私自身、特定保健指導にかかわるに当たり保健指導者の皆さんとは違い、直接指導者として保健指導を行うわけではありません。ですが皆さんが少しでも本来の特定保健指導に注力できるよう、事務的作業や機械化できるものに関し、より良いシステムをご提供できるよう進んでいければと考えています。

2013年度より制度も少しずつ変化していく中での対応はもちろんのこと、皆さんの声をいかに反映するか、現場とシステムの橋渡しが出来る人間になれればと思います。今後は、このSNS内で知り合った方と、より多くお話が出来ればと思います。保健指導向上委員会セミナー、各種学会、セミナーなどでも皆様とじかにお会いすることができたら、ぜひ声をお聞かせ願えればと思います。どこかで見かけたら迷わずお声掛けください。私から声をおかけしましたら、どうか寛大な心でお相手をお願いできればと思います。


次回予告

丸中 伸一さん ⇒ 大津 智子さんへのバトン
めいさんこと大津 智子さんと私の繋がりは意外にも小中学校の同級生であった事から始まります。とある学会でこのSNS主催のセミナーがありそこの名簿で私の名前を見つけてくれた、めいさんが「同級生だよね」と声をかけてくれたのが始まりです。35年ぶりでビックリですが、私の名前が珍しかったので覚えていてくれたみたいです。まさかめいさんが保健師さんになられていたとは全く知る由もありませんでした。めいさんにお聞きしたい事は、昨年3月11日に震災があり大きな被害に見舞われた地域の保健師さんとして、前後で大きく変化した事、ご苦労されている点などお聞かせいただきたいなと思います。宜しくお願いいたします。
次回をお楽しみに!

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