特集-リレー連載

タイトルどおりSNS保健指導向上委員会の現場に関わる会員の方を中心に、リレー形式で連載記事を執筆いただく企画。毎回、執筆いただいた方に「次はこの人にこれを聞きたい!」をお聞きし、バトンをつないでいきます。

第44回は、下岡 果林さん⇒田中 瑛子さん へのバトンです。

第44回
「日々チャレンジ! 産業保健に飛び込んで」

田中瑛子(たなか・えいこ)
(SNSハンドルネーム:tana)
福岡県の病院で3年間病棟勤務の後、産業保健へ転職。現在は、健康保険組合診療所所属の保健師として3年目になる。

SNS保健指導向上委員会 tanaさんのマイページはこちら

田中瑛子さんからのひとこと
何かの縁でバトンをいただきありがとうございます。看護師・保健師経験も浅く、試行錯誤の毎日です。今までやってきたことを振り返りながら文章にしたいと思います。

産業保健の第一印象

学生時代、産業看護実習の一環として、実習先の百貨店の健康問題を自分で考えて作り、改善計画をつくるように指示されました。当時の私は、トンチンカンな問題を作り上げ、へんてこな計画を発表しました。今思うと、褒める所なんてなかったと思いますが、当時の産業医の先生は一生懸命褒めてくださったことを覚えています。そして、普段行けない場所である百貨店のバックヤードを歩けることにワクワクしました。産業保健って、なんだか楽しい場所だなっていうのが第一印象でした。


病棟看護師(福岡県)から産業保健(埼玉県)へ

産業保健って楽しそうだけど、地元(福岡県)に就職先はないし、看護師で働こうと思い、産業保健のことなんてすっかり忘れて、病棟で普通に働いておりました。
看護師として病棟で働く中で、定年でこれから人生を楽しもうと考えたときは末期症状だった患者さん、入退院を繰り返す患者さん、透析治療を受け続けないといけない患者さんなど、様々な方との出会いがあり、この人たちのためにもっと何かできることはないだろうかと考えていました。さらに、産業保健師を目指す後輩に触発され、産業保健の領域に進んでみたいなと思いつきました。

そして学生時代に、看護師として3年間働いてみて、もし産業保健に進みたい気持ちがあったら転職するかもしれないと自分で発言していたことを思い出したのです。働いてみて看護師の仕事が予想以上に楽しかったので、実習が楽しかった産業保健はどんな楽しいことが待っているのだろうと思い就職活動開始。
でも、履歴書を送れども送れども、面接にすら至らず、振られてばっかりでした。めげずに送り続けて、最初に合格をくれた企業が、現在の会社になります。おかげで、福岡県から一気に現在の埼玉県に引っ越してきました。もちろん、埼玉県なんて面接日まで行ったことはありませんでした。


無理やり呼んでいた特定保健指導

漠然と、病気になる人を減らしたい、予防したいという思いはあるものの、保健師として働く友人も少なく、どんな風に何をすべきか具体的にやりたいことが何なのかもわからない状態で就職してしまった私。待っていたのは特定保健指導。なんか分からないけど、やらなきゃいかんと言うことは分かりました。
でも、面接の「呼び出し手紙」を書いても書いても、来てくれない。私の担当事業所は工場で、対象者はメールアドレスもない、現場近くに電話もない社員がほとんど、すべてお手紙でのやり取りしかできません。

そこで、直接現場に行き、対象者を捕まえての呼び出しを実施。結果として、無理やり呼び出す形になってしまいました。そのため初回の面接実施率は増えましたが、無関心期の人ばかりで、効果が出ない。積極的支援の人が多く、その後の支援が続かない。
そこで、呼び出し方法を変え、手紙にハートをつけて欲しいというリクエストがあればハートを書き、蛍光ペンで縁取りし、文章をなるだけ端的になど、変更に変更を重ねた結果、今年に入り、自主的に来ていただく人数が、現場で無理やり呼び出した人数をやっと超すことができました。
何がきっかけかはわかりませんが、何度も手紙を書いても来てくれなかった人が、手紙を出し始めて半年ぶりにふらっと来られることもあります。現在、呼び出し手紙は、召集命令とか赤紙とかラブレターとか、社員にはさまざまな名称で呼ばれています(笑)。来ていただけるタイミングはそれぞれなので、無理やり呼び出しをかける必要性はなくなったかなと思っています。

ただし、受診勧奨レベルが診療所に来てくれないのは困ります。必要であれば、診療所から直接本人の所に出向きます。そのためには、相手がどこにいるか把握していないといけません。そんなときに役立ったのが初年度の保健指導強制呼び出し。おかげで社員の顔と名前がなんとなく一致するようになりました。


直接会いに行く

私は健康保険組合に属していますが、担当事業所の中にある診療所の中に勤めています。診療所内で患者や対象者を待っているだけでも良いのですが、現場に行くことに重点を置いており、毎日16時には現場を歩いています。
私の担当している職場は機械作業者が多く、交代制の人ばかりです。工場自体も広く、保健指導の30分を取るのが非常に難しく、実際は夜勤明けや昼休み等を利用して来られる方が少なくありません。日時を指定しても、別の日に来られることも多いです。
「来ないなら、こっちから行っちゃえばいいや」という単純思考や現場を歩き回るのが好きなだけかもしれませんが、この現場を毎日歩くことが職場状況、社員の把握にはかなり役に立っています。

また、企業で働いていく上で注意していることは、各総務に頼みごとや提案をする場合もできるだけ、直接行って話すように心がけています。総務とは場所が離れていて、メールや電話のほうが楽ですが、直接顔を見ながらのほうが伝わりやすいし、相手の意見やそのニュアンスを理解しやすいため、意識して行っています。いずれは、相手が必要としていることを察知して、提供できるようになりたいと思っています。


他者の力を借りる

未経験で産業保健に入ったこともあり、毎日、正直わからないことだらけです。また、現在、診療日は看護師さんが来ていただいておりますが、基本は一人体制です。皆に助けてもらわないとやっていけません。他の事業所担当の看護師・保健師さんに質問したりして教えていただく毎日です。
また、未熟なので、いろんな勉強会に出没しているのですが、勉強会で名刺交換をしていただいた方に突如メールして教えていただいたりしております。保健指導向上委員会のSNSにおいても先輩方の日記を読んで勉強させていただいております。
事業所の人にも助けていただいています。保健指導の手紙を始め、診療所内で作成したチラシやポスターは、対象者に意見をいただきながら変更し、試行錯誤して作っています。他の事業所では上手くいっているものを、譲り受けても上手くいかない。昨年好評だったイベントが翌年には人が集まらない。同じ場所で同じ物を同じように実施しているはずなのに上手くいかないことが多々あります。よい方法をみつけるためにも、事業所の人の意見を聞くことができ、少しでも対象者や事業所に近づくことができる職場巡視は欠かせないものとなっています。そんなふうに心がけても、正直、蓋を開けてみないとどうなるかわからないこともあります。チャレンジしてみないと、どうなるか分からないのが現状です。

私の担当する事業所は有所見率、喫煙率、そしてメンタルも気になります。今まで保健事業として、本格的な取り組みがされていなかったので、何からでも何でも取り組んでも良いという、素晴らしいチャンスが与えられています。
そこで、今年度から禁煙イベントに精を出し、毎月22日に喫煙所を回り呼気一酸化測定とともに禁煙に関する質問やクイズを始めました。まだ、始めたばかりで実施した人が禁煙に繋がったという話は耳にしていませんが、安全衛生委員会で毎回クイズの結果の発表をする機会が持てるようになり、定期的に喫煙に関する健康提供の場の機会が増えることになりました。毎回反省、失敗を繰り返しながら、次にもっと良い物を提供できるように努力しています。他にも、診療所として企画に携わり、35歳未満の生活習慣改善のための健康教室がスタートします。メンタルに関しても何かしたいなと思っています。やりたいことがいっぱいあります! どう進めていくべきか、日々悩みながらですが、産業保健の道に縁あって、いまの職場に勤めさせていただいているので、色々とチャレンジ、勉強していきたいと思っています。


次回予告

田中 瑛子さん ⇒ 山越 さつきさんへのバトン
山越さんの日記を拝見していて、企業で保健師をした後、大学で管理栄養士を目指して勉強なさってらっしゃって凄いなと思います。私も栄養士を勉強したいなと思いついたことが何度かあるのですが、学生の頃、栄養学が苦手だったのを思い出し、栄養士さんへの妄想だけが浮かぶのですが、その道に進まれた経緯等、これからどんな道に進まれていくのか、前向きなお話を聞かせていただきたいです。
次回をお楽しみに!

バックナンバー
過去の連載「保健指導を考える」を読む
保健指導のアウトソーシングに関するアンケート調査 結果レポートの発表です
坂根直樹先生新連載「ストレス方程式で解決!簡単ストレスマネジメント」
血糖自己測定器と院内専用グルコース分析装置の違い
脱マショウノオンナ 『保健師だより』私流のコツワザ集
ニッポンの健康づくり 辻一郎先生 津下一代先生 インタビュー
協力企業
ニプロ株式会社 気をつけていますか?メタボリックシンドローム!!
ニプロ株式会社 気をつけていますか?メタボリックシンドローム!!

保健指導向上委員会の運営を応援してくれる協力企業を募集しています。詳しくは、こちらまでお問合せください。

ad@hokensidou.net
地域保健
かいごweb
東日本大震災に関する情報 地域防災力向上を目指す情報サイト「webside.jp」
SNSログイン
保健指導向上委員会SNSにログインする
SNS新規登録SNSについてもっとくわしく
委員会からのお知らせ